1. 声かけの第一歩は「なぜ帰りたいのか」の理由を知ること
「家に帰る!」と言われたとき、焦るあまり「もう夕ご飯の時間ですよ」「お茶にしましょう」と、無理に話を逸らしていませんか?
気を紛らわせることが有効な場面もありますが、ご個人にとっては「話を適当にあしらわれた」と感じられ、かえって不穏が強まる原因になることもあります。
まずはお手元で、「なんで今、帰りたいと感じているのか」の背景に目を向けてみましょう。
「帰りたい」の裏にある理由は人によってさまざまです。
🌿 「帰りたい」の裏にある主な理由
・責任感や習慣:
「夕方の仕事に行かなきゃ」「子供が帰る時間だ」という長年染みついた生活リズム。
・愛情や心配:
「家族に会いたい」「自分がここにいると心配をかけるのでは」という想い。
・身体的な不快感:
トイレに行きたい、お腹が空いた、喉が渇いたといった生理的なサイン。
2. 【現場のテクニック】波長を合わせる声かけと、話題のすり替え
「具体的にどう声をかければいいの?」という疑問に、現場で使える具体的なアプローチをいくつかご紹介します。
💬 現場で役立つリアルな対応策
① 相手の波長に合わせ、家族や仕事の話題で安心してもらう
OK例:「〇〇さんはお仕事に行かれて、もうすぐ帰ってきますよ」「ご家族の〇〇さんも安心してますよ」
→ 頭ごなしに否定せず、相手の心の中にある記憶や波長に寄り添います。
② 話が噛み合わないときは、少しずつ別の話題にすり替える
→ 同じ話の堂々巡りになったら、「あっちでお茶の準備ができましたよ」「お花を見に行きませんか?」と、自然な形で意識を別の空間へ誘導します。
3. 「この人イヤ!」となったら、他の職員にバトンタッチする
人間ですから、時には相性やタイミングで「このスタッフだとなぜかイライラさせてしまう」という標的になってしまうこともあります。
そんなときは一人で抱え込まず、他の職員に声をかけて代わってもらいましょう。
交代した後に、「さっきの方、外へ帰る手続きをしておきましたからもう大丈夫ですよ」と安心のバトンを受け渡すのも、現場を円滑に回す立派なプロのテクニックです。
4. ずっと対応から離れられなくても、それは失敗じゃない
どれほど工夫しても、そのときの不安のエネルギーが強すぎて、なかなか落ち着いてくれない日もあります。
「自分の対応が下手くそなんじゃないか」と自分を責めてしまいがちですが、ずっと対応から離れられなかったこと=自分の失敗ではありません。
「今、この人はそれほどまでに強い不安や焦りの嵐の中で戦っているんだな」と捉え、どうかご自身を責めないでください。
介護の現場は一人で抱え込む必要なんて全くありません。チームの力も上手に借りながら、あなた自身のペースで、少しずつケアの引き出しを増やしていってくださいね。今日という大変な一日を乗り越えたあなた自身を、ぜひたくさん褒めてあげてください。本当にお疲れ様です!

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